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腰に箙を着けた武士(『新形三十六怪撰1890年

(えびら、英: quiver)とは、を入れて肩や腰に掛け、携帯する容器のこと。「やなぐい」とも読む[1]矢筒(やづつ)、(ゆぎ/うつぼ)とも呼ばれる。

概要[編集]

矢を差す箱型の「方立(ほうだて)」に、「端手(はたて)」と呼ばれる矢を寄せかけるための支えが付き、端手に紐をつけて腰や背につける[2]神社の儀飾としても使用され、「平やなぐい」や「壷胡やなぐい」などが一般的である[3]

矢を引き抜く際は、図のように矢尻の方を持って方立の固定から外して引き抜く。これは矢籠や空穂も同様である。

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の演目に『箙』がある。二番目物の勇士物。寿永3年(1184年)の源平生田の森の合戦で、梶原景季が梅の枝を箙に差して戦った故事にちなんだ作品。

脚注[編集]

  1. ^ エビラ大百科事典. 第3巻 第1冊、平凡社、1939年
  2. ^ 『大辞泉』
  3. ^ 神社本庁『神社有職故実』1951年7月15日発行全129頁中69頁

関連項目[編集]