役 (麻雀)

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本稿では麻雀における「役という概念そのもの」について概説しています。役の一覧、ローカル役、役の複合について下記のページをご参照ください。

個々の役の詳細については本稿のページ最下部にあるテンプレートから御参照になれます。

麻雀における(やく)とは、和了(ホーラ)した時の手牌の特定のパターン、及び、和了した時の特定の状況のことである。日本麻雀の一般的なルールには、40種類ほどの役が採用されている。

概要[編集]

一般的に、和了したときの手牌の構成(組合わせ)が特定のパターンを満たす場合に、役が成立する。なお、ここでいう手牌には副露した牌なども含める。

また、手牌の構成とは無関係に、和了の状況(ないしはコンテクスト)によって成立する役もある。

あがり役の一覧については「麻雀の役一覧」を参照のこと。
ローカルルールの役については「麻雀のローカル役」を参照のこと。

飜 / 翻[編集]

個々の役には、それぞれ固有の価値(ランク)が定められている。役の価値(ランク)を(ファン、ハン)という単位で表す。飜の字に換えてと表記することも多いが、意味は同じである[註][1]

複数の役が同時に成立(複合)している場合、得点計算において、すべての役の飜数を合計する。この合計飜数が高いほど、得点も高くなる。詳細は麻雀の得点計算を参照のこと。

なお、難易度の高い一部の役は役満(やくまん)と呼ばれ、飜数による評価は行わない。詳細は「役満貫」を参照のこと。

食い下がり[編集]

門前でない(副露している)場合には、一部の役について飜数を1つ下げる、あるいは役の成立を認めない(副露すると消滅する役には門前清自摸和平和一盃口二盃口九蓮宝燈などがある)というルールが一般的である。このうち飜数を1つ下げるのを食い下がりという。一般的なルールでは以下の役が食い下がり役である。

一飜縛り[編集]

日本における一般的なルールにおいては、少なくとも1つの役が成立していないと和了することはできない。このような制約を一飜縛り(イーファンしばり、イーハンしばり)という。

また、合計で2飜以上の役が要求される場合を二飜縛り(リャンハンしばり)といい、ルールによっては、5回以上の連荘があった場合などに適用される。

なお、役の成立という条件に関して、結果的に成立していればよいとするルール(いわゆるアリアリ)と、事前に成立(あるいは確定)していなければならないとするルール(先付け)がある。

麻雀初心者がなかなか和了出来ない、チョンボ(麻雀の反則行為)をしてしまう理由の一つとして、役が出来ないと上がれない飜縛の為に役を覚える必要が有る事や、振聴のルールを理解し辛いと言う点がある。

役の分類[編集]

役にはさまざまなものがあるが、いくつかの特徴により分類することができる。

状況役[編集]

手牌の組合わせではなく、和了の状況により成立する役を状況役という。

プレイヤー自身の行為により成立する行為役や、偶然の状況により成立する偶然役などに分類される。偶然役は偶発役とも言う。

行為役の例

偶然役の例

その他の状況役

手役[編集]

手牌の組合わせで成立する役を手役と言う。

刻子役と順子役[編集]

刻子の成立を主な条件とする役を刻子役、順子の組合わせを主な条件とする役を順子役という。

刻子役の例

順子役の例

部分役と全体役[編集]

手牌の一部分のみを条件とする役を部分役、手牌全体の構成を条件とする役を全体役と言う。

部分役の例

全体役の例

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 日本プロ麻雀協会. “日本プロ麻雀協会 麻雀用語講座バックナンバー”. 2012年5月31日閲覧。日本プロ麻雀協会では飜も翻も「どちらも正しい」としている。

飜と翻の表記揺れ[編集]

」と「」は麻雀用語における最も代表的な表記揺れである。以下に2012年5月時点における「飜」と「翻」の使用状況(の一部)を示す。市販のルールブックおよび出版物、オンライン麻雀のルール解説ページ、プロおよびプロ団体等での使用状況である(順不同、ただし出版物については下に行くほど古い)

を使用
を使用
カタカナで「ハン」または「ファン」
飜と翻が混在