びっくり箱

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びっくり箱

びっくり箱(びっくりばこ、:Jack-in-the-box、Jack-in-a-box)は、の中に人形などを仕込み、開くとばねなどでの力で中身が外へ出てくる玩具のこと[1]

転じて想定しないものが飛び出してくる容器もこのように呼ばれることがある。

概要[編集]

びっくり箱は、他人を驚かしてからかったりするための玩具であるが、まま「罪の無い悪戯」の範疇とみなされる。これらは箱内部にばね・ゴムなどの歪みによって弾性エネルギーを蓄えている機械要素が配置され、箱を閉めてある留め金が外されると、解放された運動エネルギーによってその内容物が飛び出してくる。

ばね以外にも様々な機構を備えたびっくり箱も見られ、例えば蓋を開けると音を立てながら伸びる人形が出てきたりするものもある[2]。近年ではセンサなど電子技術の応用でメッセージ録音に対応しているものもある。

類型[編集]

似たようなものはジョークグッズや悪戯玩具に多々見られる。日本などでも手品用品やバラエティグッズなどを扱う店では、「サソリ」あるいは「サソリの標本」や「呪いの袋」と題したおどろおどろしい封筒が販売されていることがある。この中身は「輪ゴムと板でできた、ねじりの形で弾性エネルギーを蓄えた簡単な装置」なのであるが、封筒を開けようとすると、装置に蓄えられたねじれが開放され、突然封筒の中から摩擦音がすることから、あけようとした者が驚くというものである[3]。同様のものが沖縄の土産物屋では「ハブの卵」として販売されている。

世界のびっくり箱[編集]

人間びっくり箱[編集]

アメリカなどでは、大人向け誕生日などのジョークとして、大きなプレゼントの箱にヌードダンサーが隠れていて開けると出てきて踊るなどして驚かせる遊びがある[4]

これはいわゆる「サプライズ」と呼ばれるもので、他愛ない(悪意の無い)悪戯ないし悪ふざけの範疇で、この類型としては何らかの(当人にとっては好ましい)歓待の席を、当人に内緒で計画・準備して、突然にその場に招き込むといったことも行われる。

兵器[編集]

ソビエト連邦が開発したT-72戦車などは、被弾すると内部の砲弾に誘爆して砲塔が真上に吹き飛び破壊されることがある。このような被害の様を「びっくり箱」、「Jack-in-the-box」と呼ぶ[5]

脚注[編集]

  1. ^ 寺西恵里子 (2014). 親子で楽しむ!!身のまわりのもので作る工作おもちゃ. 日東書院本社. p. 73. ISBN 9784528014473. https://books.google.co.jp/books?id=Ow5FDgAAQBAJ&pg=PA73#v=onepage&q&f=false 
  2. ^ 初見健一 (2006). まだある。. 大空出版. p. 162. ISBN 9784903175058. https://books.google.co.jp/books?id=BcQsWXgpVGQC&pg=PA162#v=onepage&q&f=false 
  3. ^ 「たのしい授業」編集委員会 (2003). ものづくりハンドブック 6. 仮説社. p. 267. ISBN 9784773501681. https://books.google.co.jp/books?id=z2VROLhci9MC&pg=PA267#v=onepage&q&f=false 
  4. ^ 類例として、1992年のアメリカ映画『沈黙の戦艦』において演出が見られるが、ケーキの中から飛び出す(当項目の「登場人物」ジョーダン・テートを参照)。
  5. ^ まるで「ビックリ箱」、ウクライナで戦うロシア軍の戦車が抱える設計上の欠陥とは”. CNN (2022年4月29日). 2022年4月30日閲覧。

関連項目[編集]